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統計から見る日本の高齢者について

<要約とコメント>

総務省から65歳以上の高齢者の人口と就業の状況が公表された。

それによると総人口が減少する中で65歳以上の高齢者は3588万人(28.4%)で過去最高でさらに上昇傾向になる。主要国の中でも高齢者比率は最も高い。日本はここ20年で急速に高齢化が進み、今後40年で見ると特に韓国、中国が急速に増加する見込み。その増加比率はほぼ経済成長との関連性が非常に強い。

高齢者就業は860万人で過去最高。就業者総数に占める高齢者就業者の割合も12.9%でこれも過去最高。65~69歳ではその約半数の方が何かしらの就業に従事している。主に卸・小売業・農業・林業が多い。また4人に3人が非正規従業員。主要国で見ても高い水準にあり、韓国は約30%、アメリカ約20%、フランス約3%で高齢者人口比率の違いはあるが、欧米との就業、生活スタイルの大きな違いが表れている。

 

少子高齢化社会は主要先進国の共通の課題であるが、高度経済成長を遂げ世界有数の経済国になった日本だが1990年から高齢化が進み急激な人口構造変化にさらされている。自治体でも機能維持に厳しい状況は続いており、社会保障問題の対応でも具体的な政策が見えてこない。人口ボーナス期を終え、人口オーナス期の中で新たな発想と大きな転換、個人としても年金対策などの対応が望まれている。

 

<公表内容の概要>

総務省から「敬老の日」にちなんで、65歳以上の高齢者の人口と就業の状況が公表された。総人口が減少する中で高齢者人口は3588万人と過去最高、総人口に占める割合は28.4%と過去最高との事。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると2025年には30.0%、2040年には35.3%になるらしい。

参考:2019年現在の人口

  • 総人口 :1億2617万人
  • 65歳以上:3588万人(28.8%)
  • 70歳以上:2715万人(21.5%)
  • 75歳以上:1848万人(14.7%)
  • 80歳以上:1125万人(  8.9%) 

世界主要国で見ると日本の高齢者比率は世界で最も高く、日本の28.4%に対し、イタリア(23.0%)ドイツ(21.6%)フランス(20.4%)イギリス(18.5%)カナダ(17.6%)アメリカ(16.2%)韓国(15.1%)中国(11.5%)

各国とも上昇傾向になっており、2065年には日本(38.4%)韓国(42.1%)中国(30.0%)と大幅な上昇となるらしい。

 

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主要国の高齢者比率

 

一方、2018年の高齢就業者数は15年連続で前年比増で862万人になっている。

2017年以降「団塊の世代」が70歳を迎える事から70歳以上で増加している。高齢者就業率は7年連続で上昇しており、年齢別にみると65~69歳(46.6%)70~74歳(30.2%)74歳以上(9.8%)。

産業別でみると上位は「卸売業・小売業」127万人「農業・林業」107万人「製造業」94万人。地位別にみると「役員を除く雇用者」469万人(54.9%)「自営業」278万人(32.6%)「会社などの役員」107万人(12.5%)。

「役員を除く雇用者」の雇用形態別にみると正規111万人(23.7%)、非正規45万人(9.6%)パートアルバイト246万人(52.5%)。2008年から2018年の10年で正規従業員41万人増加し、非正規従業員は204万人増加している。非正規雇用形態の理由別にみると「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多く「専門的な技能等をいかせるから」「家計の補助・学費等を得たいから」と続く。

主要国での高齢者就業率をみると各国とも上昇傾向にあり、日本は主要国の中でも高い水準にある。韓国(31.3%)日本(24.3%)アメリカ(18.9%)カナダ(13.4%)イギリス(10.5%)ドイツ(7.4%)イタリア(4.7%)フランス(3.0%)

 

本関係サイトは以下から参照ください。

統計からみた我が国の高齢者「敬老の日」にちなんで<総務省統計局>

◆参考)統計局ホームページ/人口推計

◆参考)世界の人口統計

参考)労働力調査